本当は「行かないで」って泣いて縋りたい。
離れたくない…
ずっと側にいたい…
でも、私は夢を見てしまったの。
先輩が世界に羽ばたく夢を…
「私、待ってます。いつまででも待ってますから…だから、行ってらっしゃい」
私は熱くなった目頭と震える唇をぐっと抑えて、微笑んだ。
先輩には私の泣き顔よりも笑ってる顔を覚えててほしい。
「葵…」
先輩は勢いよく私を抱き寄せた。
「先輩…」
私は先輩の温もりを忘れないように、身体に染み込ませるように強く強く抱きしめ返した。
その間、何も言葉はなかったけど先輩と私の想いは一つになってたと思う。
そして私達は見つめ合い、自然とゆっくり目を閉じた。
私のファーストキスだった。

