「夏樹はもう大丈夫だと思う。入学当時のあいつに戻ってたから。そういえば、葵にありがとうって伝えてって言ってたぞ」
ありがとう、か…
私は何もしてないけど、今回は素直に夏樹さんの言葉を受け取っておこうかな。
先輩は満面の笑みを浮かべて「今度夏樹と昔の仲間とフットサルやるんだ」って言った。
その笑顔は少年のようで本当に嬉しそうで、眩しかった。
「葵」
「何ですか?」
立ち止まった先輩の顔に夕日が当たって、とても綺麗だった。
「俺…4月から海外に行く」
先輩の瞳は真剣で、私は何も言葉が出て来なかった。
先輩が悩んでいたのは知ってた。
何チームからもスカウトされて、海外からも声が掛かってるのはすぐ噂で広まったから。

