「葵が持ってて」
「え…?」
「俺が今ここにいるのは葵のお陰だから。葵がいなかったら今の俺はいない。このメダルは葵と一緒に勝ち取ったもんだから」
「うっ、うわーん!…ひっく…」
私はメダルをぎゅっと握り締めて思いっきり泣いた。
きっと顔はぐちゃぐちゃだけど、止められなかった。
「…ったく。泣きすぎだ、馬鹿」
先輩は私の手首を掴んで自分の胸に引き寄せた。
先輩の腕の中は懐かしくて暖かくて、更に涙が溢れてきた。
「「「わぁー!おめでとう!」」」
「「「ヒューヒュー!奏人、やるじゃん!!」」」
いつの間にか私達の目の前のグラウンドにはベンチ入りした部員が、そして周りには生徒達が集まっていて沢山の拍手をくれた。
「先輩、離して下さい!ひ、人前でこんな…恥ずかし過ぎる」
「いいじゃん、見せつけてやろうぜ。それに、葵は俺のだって自慢したいし」
先輩はそう言って私を抱き締める腕を更に強める。

