試合はPK戦に持ち込まれた。

泣いても笑ってもこれが最後…


選手達は円陣を組んで気合を入れ直し、応援席では全員で肩を組んで勝利を祈った。


PK戦はうちの学校が後攻となった。

両チーム2人目までしっかりと決めて2-2のドロー。

3人目、先攻の相手チームのシュートはゴールポストに当たって外れた。

次、入れればかなり優勢になる。

三人目のキッカーは、恭介。


「恭介、お願い…決めて…」


恭介のシュートは見事に右上の角ギリギリに吸い込まれていった。

もうすでに泣いている女子生徒もいた。

それほどこのPK戦は会場全体が緊張感に包まれていた。


四人目の相手選手も小野田先輩も落ち着いてゴールを決めて、最後のキッカーは先輩と夏樹さん。

先攻の夏樹さんがもし外したら先輩が蹴る事なくうちの学校の勝利が確定する。