「…何が…一体何があったんですか?」
私は震える指先を抑えるように拳を握りながら口を開いた。
私の言葉に一瞬顔を顰めた夏樹さんは、瞼を伏せた。
「…関係ねぇだろ」
「確かに関係ないです。でももう誰かが怪我したり傷付くのは嫌なんです。それに…夏樹さん今も悲しそうな目、してるから」
気になる…
夏樹さんは再会した時の先輩と同じような目をしてる。
それに今の反応…やっぱり絶対何かあるんだ…
「なつ!」
「佳菜子…」
「もうすぐハーフタイム終わるよ。早く戻らないと」
佳菜子という制服姿の女性は私達の方へ駆け寄り、夏樹さんの腕を掴んだ。
「離せよ。ったく…葵ちゃん、じゃーね。勝ったらデートって約束忘れないでね」
そう言う夏樹さんは、さっきまでの表情とは打って変わっていつもの夏樹さんに戻っていた。

