さくら色 〜好きです、先輩〜


「この子、保健室に連れて行っても宜しいですか?酷く怯えているので」

「ええ。後でお話しを聞かせてもらいますが」


藤田先生と那奈は香緒里ちゃんを両脇から支えるようにして視聴覚室を後にした。


「では他の方は署で話を聞かせて下さい」

「あの、そこの女の子二人は関係ありません。たまたまさっき通りかかっただけです」

「では、君だけ悪いけど来てくれるかな?」


佐々木君は警察官と校長先生の後に続いて、里美が佇んでいるドアへ向かう。


「佐々木君…」


里美の横を通り過ぎる時、里美が呼び掛けても佐々木君は振り返ることはなかった。

ただ、その横顔は悲しげで唇を噛み締めていた。



その後、私達は文化祭に戻る気になれなくて屋上に向かった。

屋上から下を覗くと昇降口の前にパトカーが止まっていて、その後ろの校長先生の車に佐々木君が乗り込む様子が見えた。