「はーい!撮りますよ」
私は何枚か三人の写真を撮った。
そのうちの数枚はわざと小野田先輩と若菜先輩がツーショットになるようにしたりして。
「葵ちゃんも一緒に撮ろうよ」
「え?私は当番中…「「いいからいいから!葵ちゃんはここね」」
そう言って、若菜先輩は私の言うことも聞かず無理矢理腕を引っ張って先輩の隣に並ばせた。
その瞬間、先輩と私の腕がぴったりとくっついて思わず身体を強張らせた。
久しぶりに感じる先輩の体温で腕がピリピリする…
「わ、私やっぱり…」
それに耐えられなくなった私は、先輩から離れようと一歩足を出した。
すると、それとほぼ同時に後ろから手首をパシッと掴まれ立ち止まった。
「……っ!!ちょ…先輩?」
振り返ると、先輩は意地悪そうにニヤッと口の端を上げて私を見てくる。
「いいじゃん。せっかく浴衣着てるんだし、写真撮ろうぜ。それともマネージャーは先輩の言うこと聞けないの?」
そんな先輩に、私の心臓はキューッと締め付けられた。

