さくら色 〜好きです、先輩〜


「写真撮りますか?それとも何か注文されますか?」

「最初に写真撮りたい!」

「ではこちらへどうぞ」


私は三人を撮影ブースに誘導し、先輩達は各自で選んだ浴衣に着替えた。


「わあ!若菜先輩可愛い!!先輩のイメージにピッタリですよ。小野田先輩どうですか?」

「……」

「小野田先輩?」


小野田先輩が返事をしないので振り返って見ると、今までに見たことないぐらい顔を赤く染めて固まっていた。


「に、似合ってる…よ」

「小野田!何照れてんだよ」

「うっせ」


先輩はさっきの仕返しと言わんばかりに小野田先輩をからかい、私と若菜先輩はそんな二人を見て目を合わせて微笑みあった。


凄い平和な時間だった。

私達が別れてる事すら忘れちゃうぐらい穏やかだった。

先輩は私に普通に話しかけてくれるし、私もまた自然に笑えた。