「だから私、今日勢いで…好きって言ったの」
「え!!?今日って、今日だよね?」
私は里美の思い切った行動に驚いて自分が何を言ってるのかわからなかった。
「放課後に。文化祭実行委員が終わって図書室に本を返しに行ったら佐々木君がいたの。何で図書室に来なくなったのかとか何かあったのか聞いても別に何もない、忙しいだけの一点張りで…」
確かに新学期に入ってすぐ文化祭の準備が始まって忙しいのはわかるけど、そんな事でこんなに変わるわけないよね…
それに里美は知らないと思うけど佐々木君は里美のこと好きなんだから。
「佐々木君が私の目を見ないで図書室を出て行こうとしたから、腕を引いて…好きなの!って告白した。自分でもびっくりしたよ…だって今日告白する気なんてなかったんだから」
その時の様子が頭に浮かぶ。
里美の気持ちが痛いほど胸に染みた…
「答えはごめんだった。最後まで目見ないでさ…もうホント、ムカついちゃったよ…告白してんだから目ぐらい合わせろ!ってね」
そんなことを言ってる里美だけど、声は弱々しかった。