「私、何てこと…ホントごめん」
私の…早とちりだったんだ。
なのに、あんな言い方してホント最低だよ…
私は自分が情けなさ過ぎて思わず俯いた。
「ならお詫びに一緒に行こ?」
佐々木君はそんな私の顔を覗き込んで、優しく微笑む。
この笑顔が私にだけ向けられるものだったら良かったのに…
その後、毎日のように昼休みの半分を一緒に過ごすようになった。
真面目に勉強したり、時にはお笑いの話をしたり…
葵が落ち込んでる時は葵と一緒にいたくて図書室に行かない日もあったけど、次の日は必ず何かあったのかと心配してくれた。
そしてお笑いライブの当日。
30分も早く待ち合わせ場所に着いたにも関わらず、佐々木君はすでに待っていた。
少し遠くから見る佐々木君は一際目立っている。
茶系のパンツに薄ピンクのシャツを着て壁に寄り掛かってる姿は本当に紳士で、近くを通る女性は必ず振り返って頬を赤く染めていた。
私、この人と今日一日一緒にいられるんだ…
なんか夢でも見てる気分になった。

