さくら色 〜好きです、先輩〜


これって…


「お笑いライブのチケット?」

「昨日たまたま兄貴に貰ってさ、森本さん好きなら一緒にどうかなって…」

「私…?彼女とか好きな人とか誘った方がいいんじゃない?」

「彼女なんていないよ?好きな人も…「「昨日の子は?」」


昨日の香緒里ちゃんって子…

あの子は何となく佐々木君のこと好きそうに見えたけど…



「昨日の子?」


佐々木君は頭の上にはてなマークが飛び交っているかのようにキョトンとした表情を浮かべている。


「昨日の帰り、二組の友達のとこ行ったら見たよ?楽しそうに女の子と話してた。佐々木君…その子のこと好きそうに見えたから」


…今の私、全然可愛くない。

こんな言い方失礼だし、そもそも私には佐々木君が誰と話してようと関係ないのに…


「あはは!!もしかして香緒里のこと誤解した?あれは同中で部活が同じなだけ。それにあいつ彼氏いるし…」


でも佐々木君は、そんなの気にしていない様子で大きな口を開けて笑った。