さくら色 〜好きです、先輩〜


次の日の昼休み、葵達とご飯を食べたあと図書室へ向かった。

扉を開けると、昨日座っていた席に細長い紙を持って何か考え事をしている佐々木君を見つけた。


「森本さん!」


今日は笑えそうになくて気付かれないように引き返そうとしたけど、佐々木君に声を掛けられて渋々図書室に入った。


「今日も勉強?」

「まぁ、そんなとこ。教室は煩いし昨日ここ来て気に入ったし、それに今日も森本さんいると思ったから」

「あ、わかった。また教えてって言うんでしょ?」

「あ?バレた?」


佐々木君はそう言って白い歯を見せて笑った。

心臓は私よりも正直で、さっきまで落ち込んでいたのが嘘のように佐々木君の言葉に鼓動が跳ね上がった。


も〜!この笑顔反則だよ…


「さっき何見てたの?」

「さっき?ああ、これ?これは…また後で…」

「気になる!今教えて?」


私は佐々木君の手からその紙を取った。