さくら色 〜好きです、先輩〜


放課後、葵の教室に行くと彼の姿があった。

隣の女子と楽しそうに話してる様子を見て胸がズキズキと痛み、思わず目を背けた。


「さーとみ!どうしたの?」

「…あの子、誰?」


私は駆け寄ってきた葵に、彼女のことを無意識に聞いていた。


「ん〜?ああ!バスケ部の香緒里ちゃん!可愛いよね。うちのクラスの一番人気なんじゃないかな。香緒里ちゃんがどうかした?」

「いや…可愛いからさ。今話してる身長高い人と付き合ってるとか?」

「佐々木君?いや〜…聞いたことないけど仲は確かにいいかも。同中だったような…」


私は聞いたことをすぐに後悔した。

得体の知れない感情が心の中を掻き乱していく。