さくら色 〜好きです、先輩〜


私達は机に移動し、隣同士に座った。


「ここはね…」

「うん」


佐々木君は私がノートに書きながら解説を始めると、ノートが見えやすいように私に近付いた。


か、顔が近い…

頷く低い声が私の鼓膜を震わして、身体全体を痺れさせていく。

こんなんじゃ、集中出来ないよ…


「どうしたの?」

「…へ?い、いや、何でもない。ごめんね」


今日の私、おかしいよ…

今までこんなにドキドキしたことがなくて、どう気持ちを切り替えたらいいのかわからない。

自分が自分じゃないみたい…

でもこの自分も嫌いじゃなかった。


私は邪念を払うかのように頭を小さく左右に振った。