「これより恒例の肝試しを始めます!3年はお化け役、1、2年はクジでペアを決めてこの先にある公園のドカンの中から一組一袋の花火を持って帰って来て下さい」
皆が盛り上がってる中、一人真っ青な顔をしてる葵が目に入った。
そういえば葵はこういうの苦手だったような…
本当ならこういう時に側にいてやりたいのに今の俺にはその資格がない。
クジ引きの結果、葵は恭介とペアになった。
恭介のジャージの裾を掴む葵の姿を見て、俺は目を逸らした。
やっぱり距離をおいていても、恭介とは何もないってわかっててもそういう姿を見るのは嫌だった。
肝試しが始まって数組が通過した。
脅かすのは癖になりそうなぐらい楽しくて後輩と良い夏の思い出が作れた。

