さくら色 〜好きです、先輩〜


だけど葵といると俺は弱くなる。

葵の事が愛おし過ぎてすぐ理性がぶっ飛びそうになるんだ。


抱き締めて滅茶苦茶にしたい…

葵の全てを俺のものにしたい…


こんなに独占欲が強い自分がいるなんて知らなかった。


そして何よりも葵を夏樹の目から逸らすには離れた方が一番いいと思った。

夏樹は俺を目の敵にしてる。

距離をおくことで葵を傷付けてしまうけど、夏樹に何かされるのを防ぐにはその方法しか思いつかなかった。



葵…ごめんな。


こんな方法でしかお前を守れなくて…

葵は何も悪くない。

葵の強さに俺は甘えていたんだ。

強くなって必ず迎えに行くから…

だからそれまで待っててほしい。


俺は葵が閉めた玄関を見ながら願った。

どうか俺達の未来が繋がっていますように、と。