さくら色 〜好きです、先輩〜


インターハイで再会した夏樹は全く変わってなかった。

矢野から話を聞き、夏樹に対して激しい憤りを感じた。

あいつは俺だけじゃなく、他の皆の夢も踏みにじった。


二回戦でうちの学校は負けた。

夏樹は明らかにうちの主力のメンバーに怪我をさせようと反則行為を繰り返した。

特に恭介は、前日に夏樹に噛み付いて目を付けられてしまった。

足首をわざとスパイクで踏み付けて、一歩間違えれば恭介の夢も奪われるところだった。

俺はその様子を夏樹の言う通り客席から歯を食い縛って見てる事しか出来なかった。

悔しくて悔しくて、自分の無力さに腹が立った。


俺は、あいつには負けたくない。

矢野や他の奴らの為にも絶対に。

俺は俺のやり方であいつに勝ってみせる。