「…どうして？」
「冷めちゃいました。私、はっきりしない人って駄目なんですよね」
私は先輩に背を向けた。
とてもじゃないけど先輩の目を見て話せなかった。
「小野田先輩が言ってました。この一週間、先輩がずっとおかしい、上の空だって。せっかく距離を置いてるのにそれじゃ意味ないですよ…それに、自分でそうしたいって言っておいてそれってどうなのかなって…」
違う…
本当はそんなこと全然思ってない。
距離を置いていても私のことを気に掛けてくれて、助けてくれて本当に嬉しかった。
先輩は優しいからこれから先も私が辛かったらすぐ駆けつけてくれる。
だけどそれじゃ意味がないの…
私は震えそうな声をグッと堪えた。
