「明日からいよいよ全国インターハイの初戦が始まる。今日はゆっくり休んで明日に備えるように。以上、解散」


期末テストが無事に終わり夏休みに入った。

明日は待ちに待ったインターハイの初戦で部員全員、気合いに満ち溢れていた。


「とうとう明日ですね。初戦の対戦校はどんなチームなんですか?」

「二年前から監督が変わって強くなったんだ。今一番勢いのあるチームだと思う」


私と先輩は二人の時間を噛み締めるように、家路をゆっくりと歩く。

最近、先輩と二人きりでいることにやっと慣れてきた。

でもまだ手を繋ぐ時とかふとした仕草にドキッとする。


「明日はサポートに回るから何かあったら言えよ?手伝うからさ」


先輩は登録に間に合わなくてベンチにも入れない。

きっと凄く悔しいと思う。