「うわ!眩し…」
手で日差しを遮りながら空を見た。
今日も暑くなりそうだな…
「遅ぇよ」
え…今の声…
聞き慣れた声に驚き、急いで門を出た。
「恭介!!」
恭介はいつものようにポケットに手を入れて塀にもたれ掛かっていた。
「ほら、行くぞ」
何事もなかったように今まで通りの恭介に、涙腺が緩む。
「……」
「葵?どうした?」
どうしよう…凄く、凄く嬉しい…
こんなに早く恭介とまたこうして登校出来るなんて思ってもいなかった…
「…ヒック…ぎょうずげ、私…嬉じぃ。あ…ありがどう」
私は涙を抑えきれなかった。
恭介の強さと優しさに、心が震える。