さくら色 〜好きです、先輩〜


「そういえば先輩、髪切って色も戻したんですね」


この間までの先輩の髪は、耳が隠れるぐらいに長くて茶色に染まっていた。


「ああ。サッカー部に入部するからにはちゃんとしないとな。どう?変?」

「とっても似合ってますよ!茶髪もかっこ良かったけど、やっぱり先輩はこっちの方が私は好きです!!」

「……ぷっ!あはは!サンキュー」

「はっ!いや!その…違くて!そういう意味じゃなくて…」


身体が一瞬で熱くなったのがわかった。

絶対顔も耳も真っ赤だし…

こんな真っ赤な顔を見られたくなくて目をギュッと瞑って俯く。


好きだなんて何言ってんだろう…

恥ずかしくてもう先輩の顔見れないよ…


「前もこんなことあったよなー。サッカー教えてって言われた日。覚えてる?先輩がいいんです!って勢いよく言われた」


…そういえば。

私っていつも勢いで変なこと口走って笑われて…

本当に成長しないな…