「葵?大丈夫?」
那奈が横にしゃがみ私の肩に手を置いた。
「負けちゃった…試合にも賭けにも」
「葵は精一杯頑張ったよ?やれることはやったじゃない。あとは先輩自身がどうするかだよ。先輩を信じよ?」
「でも…もし、もうサッカーはしないって…放っておいてって言われたら…」
「そんなこと言わないよ!少なくとも葵に放っておいてなんて…」
先輩…本気でいくって言ってた。
それは賭けに負けたくなかったから。
サッカー部に入部したくないからなのかもしれない。
だとしたら先輩の賭けの条件はやっぱり…
悪い想像ばかりが私の頭の中を駆け巡る。
先輩…
私、先輩が夢を追いかけてる姿を近くで見たいです。
もう一度だけでいいから目をキラキラ輝かせて楽しそうにプレーしてる先輩を見たい…
でも、それはもう叶わないの?

