私の足元から放たれたボールは、ゴールキーパーの伸ばした手のすれすれの所をすり抜けて狙い通りゴールの隅の方へ吸い込まれていく。


周りの声はもう聞こえない。


ボールもゴールキーパーの動きも全てがスローモーションに感じた。


入った!!!


そう確信した、その時。

ゴールキーパーの背後から人影が飛び出した。

ボールはその人の頭に当たり、弧を描くようにゴールポストの上を超えて場外に落ちていく…


ーーーーーピッピッピッピッー!!


「試合終了!!1対0で3年4組優勝!!!」

「「「ワァー!!!」」」


今日一番の大歓声が学校中に響き渡った。


入らなかった…

負けちゃったんだ…


私は力が抜けてその場にへなへなと座り込んだ。