さくら色 〜好きです、先輩〜


後半戦が幕をあけた。

桜井先輩と柏木先輩の活躍でハーフコートで試合をしているかのようにうちのクラスのゴール前からなかなかボールが動かない。

なんとかボールをクリアしてもすぐまた攻められてしまう。

まだ後半戦が始まって半分も経っていないのにうちのクラスは皆息が上がっていた。

そして無情にもその頑張りは打ち崩された…


「ゴール!!3年4組!」

「うっしゃー!奏人ナイススルーパス」


柏木先輩と桜井先輩が応援席に向かってガッツポーズを決めると歓声と太鼓の音がより一層大きくなった。

クラスの皆はその場に座り込み肩で息をしている。


「ハァ、ハァ…きっついな…」

「後半になった途端、向こうの動きが良くなった」

「柏木先輩と桜井さんのキープ力半端ねえな。これが実力の差かよ…くそ!」


門倉君は悔しそうに自分の股を拳で叩いた。