さくら色 〜好きです、先輩〜


「女子がゴールを決めると2得点だから、女子はゴール前に上がってほしいんだ。あとは俺たちが何とかするから」

「なら葵が適任だよ。私たちじゃまともに蹴れなくてゴールの枠にすら入らない」

「葵、出来るか?」


恭介や他のメンバーが一斉に私を見る。


先輩とたくさん練習した。

特にシュート練習は重視してやったし先輩に褒めてもらえたこともある。


先輩のクラスは若菜先輩がいて初戦からずっとゴールを狙って来ている。

前半はなんとか防げたけど後半はわからないし…

若菜先輩に決められる前にこっちが決めないと均衡が崩れてどんどん引き離されてしまいそう。


「わかった。やるよ」

「気をつけろよ?ゴール前はサッカー部のディフェンダーばっかだ。サッカー部は先生にどんな試合でも手を抜くなって言われてるから本気でくる。下手したら怪我するぞ」

「大丈夫。やれるだけやってみるよ」

「よし!じゃあ後半も気合入れていくぞ!!」

「「「おー!!」」」


私たちは円陣を組み恭介を中心に気合を入れた。