「あのさ試合終わったら…「「恭介ー!葵ちゃん!こっち来てー」」
恭介は門倉君に言葉を遮られて口籠ってしまった。
「おー!今行く!…ほら、皆のとこ行こうぜ」
「あ…恭介、何言い掛けたの?試合終わったら何?」
そういえば決勝戦前にも何か言い掛けてたっけ。
私が急いでて話聞けなかったんだよね。
「…いや、何でもねえよ」
恭介は口の端を上げて無理矢理作り笑いを見せた。
そんな恭介の表情に、胸が痛む。
以前、恭介に言われたことが頭を過った。
“もう少し自分に自信が持てるようになったらもう一度言うから”
もし、その話だとしたら私は…
皆のところへ向かう恭介の背中を見て覚悟を決めた。
正直に私らしく、あるがままの自分の気持ちを伝えよう。

