「じゃあ俺はそろそろ戻らないと。審判の係りの時間だから」

「うん…」

「そんな淋しそうな顔すんなって。離れたくなくなるだろ…」


慎ちゃん…


私、慎ちゃんが大好きだよ。


数時間前よりもいっぱいいっぱい大好きだよ…



「おーい!西原さん!」


葵は急に呼ばれ、一瞬驚いた顔をしつつ私達のところへ走って来た。


「はい?」

「那奈のこと頼むな。これからも仲良くしてやって」

「もちろんです!」

「じゃ、俺は行くな。お前らも頑張れよ!」


そう言って、慎ちゃんは手を振りながら校庭の方へ行ってしまった。