慎ちゃんは私の前で足を止めると、乱れた息を整えながら私を見つめてくる。
「また泣いてる…さっきはごめんな。あいつ俺のクラスでさ」
「ううん…」
「これからは俺のこと避けるようなことはすんなよ。学校で会ったら普通に挨拶して話したいことがあったら普通に声掛けろよ」
普通…?
普通って何?
さっきのこと何もなかったように接しろってこと?
さっきのは間違いだったって…そういうこと?
「…普通になんて出来ない」
「那奈…」
「慎ちゃんにとって私って何!?さっきの保健室での事はただの気紛れ!?そんなの酷いよ…私は…私は…。…私は慎ちゃんの事が好…」
ーーーガバッ!!
…何が起こってるの?
私…慎ちゃんに抱き締められてる…

