慎ちゃんの揺れる瞳から逸らすことが出来ない。
それどころかその瞳に吸い込まれてしまいそうになる。
「那奈はホント可愛くなったよ。だからすげぇ…困るんだ」
小さくて低い掠れた声。
慎ちゃんの右手が私の左頬にそっと触れる。
静かな保健室に響き渡りそうなぐらい私の心臓は激しく音を立てた。
ねぇ、慎ちゃん。
そんなこと言ったら私…
期待しちゃうよ…
「わ、わたし…」
ーーートントントンッ。
ドアをノックされた瞬間、慎ちゃんは勢いよく立ち上がり元居たベッドに素早く戻った。
「失礼しまーす。あー!先生こんなとこでサボってる!!」
保健室に入って来た女子生徒は慎ちゃんに駆け寄って隣りに座った。

