さくら色 〜好きです、先輩〜


「嫌いになるはずないだろ?ただ俺も那奈もあの頃とは違う。俺はこの学校の教師でお前は生徒。一人の生徒と仲良くするわけにはいかない」


私は受け取ったハンカチで涙を拭う。

だけど拭っても拭っても涙は止まることなく、どんどん溢れて頬を伝っていく。


慎ちゃんが言ってることは正しい。

頭ではわかってる。

慎ちゃんは先生。

私と必要以上に仲良くしてたら、厄介なことになるかもしれない。

それでももう気まずいのは嫌なの…


「慎ちゃん、それでも…「「それに、那奈は女だ」」

「…え?」

「あの頃みたいに妹のようには見れない」


それって…

どういう…こと?


私が顔を上げると顔を真っ赤に染めた慎ちゃんと視線が重なった。


「慎ちゃん…顔、真っ赤…」