「これで大丈夫よ。後は家帰ったらまた消毒してガーゼ変えてね」
「…はい。ありがとうございました」
私…凄い感じ悪い。
処置してもらったのに目を見て御礼も言えないなんて…
「あ!そうだわ。今日届いた備品を運ばないといけないんだった。西原さん、手伝ってくれる?」
「え!?…あ!わかりました。お手伝いします」
葵は私の背中を二人にはわからないようにトンッと軽く叩くと、藤田先生と保健室を出て行った。
藤田先生はわからないけれど、葵はきっと慎ちゃんと二人っきりにしてくれたんだと思う。
葵達が出て行った保健室は一瞬で静まり返り、置き時計の秒針の音がやけに耳についた。
慎ちゃんに謝るって決めたのに、いざとなるとどう切り出していいのかも何て謝ったら伝わるのかも頭がこんがらがってわからない。
私は…本当に弱い…

