さくら色 〜好きです、先輩〜


今年の男女混合サッカーで優勝候補の部長のクラスと桜井先輩のクラス。

私達はラッキーなことに決勝まで当たらずに来れたけど。

もちろん、ここまで楽に勝ち進んできたわけじゃない。

学校行事なのにレベルが高過ぎる混合サッカーは、私達女子、そしてサッカー部の男子にとっても想像以上に過酷なものだった。

なのに、決勝で優勝候補どちらかと戦わなければいけないなんて…

きっと厳しい決勝戦になると思う。


「…っ、那奈!!足怪我してるよ!!」

「え?…ああ、試合中に相手の選手とぶつかって転んだ時かな。このぐらい全然平気だよ。それより桜井先輩の試合見に行こうよ」

「駄目だよ!ちゃんと消毒してもらわないと。試合なんて後でいいの!」

「でも…」

「いいから!保健室行こ?」


葵はそう言って、半ば強引に私の手を引いて歩き出した。


本当に対した事ないのに…

先輩の試合凄い見たいはずなのに…


ありがとう、葵。