「ねえ、お姉ちゃんは兄ちゃんの彼女?」


そう言って、つぶらな瞳で私をジッと見つめる一人の男の子。


「え…私?違う違う!そんな滅相もない」

「えー!?違うの?」


他の二人も参戦して、私を囲むようにジリジリと迫ってくる。

ゔ…どうしよう…

三人の勢いにオロオロする私。


「兄ちゃん達、カレカノじゃなければどういう関係なの?」


子供達は興味津々に目を輝かせている。

どういう関係って…そんなの決まってる…


「おいおい、姉ちゃん困ってるだろ。この人はただの後輩。球技大会の為に放課後サッカー教えてるだけだよ」


先輩は三人に向かって笑いながら言った。



“ただの後輩”


先輩の言葉が胸に突き刺さってズキズキと痛む。

傷つく事なんか何一つないのに…


私達の関係は先輩と後輩。

ただそれだけ。

それ以外の何物でもない。


だけど…

やっぱ先輩から直接聞くのは辛いよ…