太陽の光で輝く川。
そよ風で靡く草花。
手を繋いで散歩するカップルや自転車に乗る練習をしている親子。
土手から眺めるその景色はいつ見ても変わることはなく、昔から地元住民に愛されていた。
私も小さい頃よくここでお祖父ちゃんとお婆ちゃんとお弁当持って遊びに来たっけ…
河川敷のサッカー場では、すでに沢山の小学生がウォーミングアップをしていて活気溢れていた。
「兄ちゃーん!!」
私達に気付いた三人の小学生が嬉しそうに駆け寄ってくる。
少しぶかぶかの青いユニフォームを着て。
後ろには背中いっぱいに書かれた背番号。
「おう!調子はどうだ?」
「ばっちりだよ!なあ!」
「うん!今日は兄ちゃんに教えてもらったシュートやるからちゃんと見ててね!」
先輩は子供達の目線に合わせるように屈んで、一人一人に「頑張れよ」とエールを送る。
それはもう眩しいくらいの満面の笑みで。
前の学校で起こったことなんて夢だったのかもしれないって思うぐらいに。
最近、先輩に笑顔が増えてきた。
少しずつ前に進んでる。
もしかしたら、先輩がもう一度夢を追う姿を見れる日がそう遠くないんじゃないか。
そう期待してしまう程、最近の先輩は変わったと思う。

