さくら色 〜好きです、先輩〜


特訓を始めて10日が経った。


特訓後、近くの自販機で飲み物を買い、ベンチに座って一息吐く。

先輩は無糖のコーヒー。

私はカフェオレ。

これが私達のここ数日の日課。


缶コーヒーを飲む先輩は何だか妙に大人に見えて、毎日ドキドキしてる私。

今日も高鳴る胸を落ち着かせるように手を当てて、なるべく先輩を意識しないように口を開いた。


「先輩。今度の土曜日もここで子供達とサッカーするんですか?」

「いや、その日はチビ達のクラブチームの練習試合に呼ばれてるんだ。何かあるの?土曜は部活だろ?」

「野球部が練習試合でグラウンド使うんでサッカー部は久々の休みなんです。だからもし先輩が練習するなら私もって思ったんですけど」

「ふーん…」


あ…迷惑だよね…

休みの日まで付き合ってもらうなんて…


「すみませ…「「じゃあ、一緒に行く?」」

「え?」


私の聞き間違いじゃないよね?

今、一緒にって言った…?