さくら色 〜好きです、先輩〜


先輩が笑ってる…


単純な私はそれだけで嬉しくて、私までつられて笑ってしまった。

この前ここでサッカーを教えてるのを見た時も思ったけど、やっぱり先輩は笑顔が一番似合う。

少しずつでもいいから心の傷が癒えて、中学の頃のように輝く先輩を見たい。


暫くして笑いが収まった後、先輩は何かを考えるように空を見上げた。

その横顔は入学式や渡り廊下で見た寂しそうな横顔とは何処か違った。


なんというか…優しい目をしていた。


「明日からな。待ってるから、部活終わったら来いよ」

「…っ!いいんですか!?」

「やるからにはビシビシやるからな?覚悟しとけよ」


先輩はそう言って、ニヤリと笑った。