「うわー!凄い綺麗!満開だね〜」
学校に着くと、満開に咲いた桜が私達新入生を迎えてくれた。
校門には【第○○年度 入学式】と書かれた大きな立て看板。
淵には赤と白のペーパーフラワーが交互に並んでいる。
私は桜の木の下で立ち止まり、桜を見上げながらゆっくりと深呼吸した。
桜の花びらがそよ風に乗ってゆらゆらと舞う。
ここで3年間過ごすんだ。
どんな高校生活になるのかな。
たくさん思い出が出来るといいな。
今日から始まる青春の日々に胸が弾む。
クラスが発表されて私と恭介は2組、里美は特進クラスの1組になった。
「また葵と同じかよ。ったく、仕方ねえから里美の代わりに面倒みてやるか」
そう言って、同じ中学の男友達と校舎に歩いていく恭介の背中に「余計なお世話ですー!」と叫んだ。
だけど、そうは言いながらも実は内心少しホッとしてる私。
一人はやっぱり心細いから。
そんなこと間違っても本人には言わないけどね。

