うちの学校はサッカー部が強く、部員数も学校一多い。

そのため球技大会のサッカーは部員だらけになり、その中に女子が入って試合をするということになる。


本格的な試合になるので女子にとっては過酷な種目でやりたがる人はまずいない。


「ちょっと待って!なんで私達なのよ!」


那奈がバンッと両手で机を叩いて勢いよく立ち上がった。

「ふふふ」とわざとらしく笑い、私達の目の前で仁王立ちした委員長。

眼鏡がキラリと光り、その迫力に那奈がごくっと喉を上下させた。


「一つ!葵はサッカー部のマネージャーでルールを知ってるから。二つ!二人はこのクラスの女子でトップの運動神経を持つから。三つ!私の話を聞いていなかったから。以上!!何かご不満でも?」

「ゔ…」


那奈は苦笑いをして小さい声で「ないです…」と言って静かに座った。


「葵は異議はなし?」

「…やります」

「よろしい」


委員長は満足した様子で教卓に戻り、HRの進行に戻った。