「ところで葵。サッカー部のマネージャーの話、考えてくれた?」

「その話は断ったじゃん」


この前、珍しく手土産を持って家に来たと思ったらマネージャーになってほしいと頼まれた。

だけどサッカーのルールなんてよくわからないし。

それにうちの高校のサッカー部は国立に何度も出場を果たす強豪チーム。

そんなチームのマネージャーなんて大役、私じゃ務まる自信がない。


だからすぐに断ったんだけど…


恭介は「そこをなんとか頼むよ!」と手を合わせて私の前に立ち行く手を塞いだ。


「ほら、中学でマネージャーやってた若菜先輩いるだろ?若菜先輩がうちの高校でもマネージャーやっててさ、葵を誘えって頼まれちゃって」


二つ上の若菜先輩とは中学の時に委員会が一緒で仲良くなった。

若菜先輩は小学生の時、女子サッカークラブに入ってたけど部員が少なくなってクラブが解散。

それ以降サッカーする場所がなくなり、中学のサッカー部のマネージャーになったんだって言ってたっけ。