しかし困ったもんだ!
「お、どしたのよ?昨日見たアバターにまだムカついてんの?」
「それもあるけど弥宵、実は私、しばらく休学することになったんだ。」
「え?なして?」「何があった訳?」
「実はさ、じいちゃんからオーストラリアに行ってある調査を任されたのよね。」
「マジ?何の?」
「数日前にアデレードに隕石が落ち、その町で変死者続出したってニュースは知ってる?」
「知ってるけど、それに何で杏香が調査に行く必要がある訳?」
「変死だよ?変死!つまり問題はそこッ!隕石落下に巻き込まれて死んだんじゃあないらしいんだ。その隕石を見に来たり触れに来た観光客のほとんどが変死だって。」
「だからって何で?」
「だから隕石がミソなのよ!つまりその隕石は化神の矢と同じ材質である可能性が高く、化神使いである私ならその影響があんまないだろうから調査指令が来たのよ。」
「そ、そんならしゃあないか」
「しかし何で困ったのよ?」
「出席日数が足りなくなって単位落とす危険が多いから困るんだって。」
「え~、そんなん脅して単位もらったらいいじゃん!いつもみたいに」
「そ、それだ!ナイス雷夏!」
バスッ
「ナイスじゃあないだろ藤林杏香!倫理的に脅迫はいかんぞ」
き、清士郎!
「え~、脅すぐらいええやん清。いつものことやし、これがウチらっちうか杏香のスタンダードとちゃうん?」
「清言うな!てゆーかそれがスタンダードな時点でアウトだろ。ただでさえ僕らの派閥は演劇部で最も高い実力を持つ反面リーダーが倫理的にアウトとあちこちでささやかれてるしここでまた脅しとかやったらヘタしたら追放とか廃部とかになるかもしれん。」
「え!?それヤバイじゃん!私達たまり場なくなっちゃうし!」
「そりゃあヤバイ!たまり場なくなるし台本の買い手って金づるまでなくなっちゃうし!」
雷夏の台本は演劇関係者も買うほど面白いからね~、ってかみんな私みたいに部室=たまり場と考えてたのは意外!
「ったくお前らは。ぃいか?たまり場を守りたいならおとなしくしてくれよ。」
しょーがない、単位落として調査活動するか。あとで単位ダッシュすれば何とかなるし