「グオッ!か、簡単にやられた・・・だと?」
ドフッ
よし!勝利!
「しっかしあっけないもんやなあ、オラオラだけで勝ちよった!」
「確かに!けどさー、こんな弱いのに限って前座ポジションで後から強いのが出るもんだよね~。」
確かに!しかしヤツは前座?まあ今は気にしてらんないかッ!
「ガブッ!時間は・・・稼げたな!」
「時間?」
「あぁそうだ!今ごろ横浜港から船が出る頃だろうな!」
横浜港から船?
「今のうちに勝利に酔いしれているがいい!まもなく神は甦るッ!新世界を生み出す力を持つ神がなぁッ!」
この男、捨て石か!
「世界は生まれ変わる!神によってッ!・・・ガフッ!」
ドフッ
コ、コイツ・・・、死んだ!いや今はそれより!
「じいちゃん!」
『おお杏香かどうしたのじゃ?』
「今すぐ横浜港から出向する船全部の検閲をお願い!」
『な、なにを言っておるのじゃ?船の検閲?』
「五角の残党が横浜港から出向する船になんか仕込んだみたい!」
『なんと!』
「連中は船になんかを仕込んで神を生み出すつもりみたい!」
『神?』
「恵里菜に倒されたあの男とは無関係だろうけど・・・」
『ふむ・・・よしきた!なら検閲させよう!結果は追って送る!』


















『杏香か。』
「じいちゃん!」
『船じゃがおかしいものは見当たらなかったぞ。じゃが・・・』
「じゃが?」
『神宮司の船が五隻同時に出ようとし、奇妙なことに五隻が函館、仙台、呉、長崎、沖縄とそれぞれ違うところへ出ようとしておったぞ。』
「え?わかった。」
確かに奇妙だ。なぜゆえ違うところへ同時に・・・