とある学園にて




「ーーーッ!」

私は跳び起きた。しかし見える景色は紅い水溜まりではなく、いつもの見慣れた私の部屋だった。

あれは夢だったのか・・・。

夢であったことにほっと胸をなで下ろしたが、なにかもやもやする。何を話そうとしたのかを忘れたように、また、何をしようとしたのかを思いだそうとしているときのようなもやもやだ。

わからない。

なぜ私があんな夢をみたのか。

夢は、その人の過去の体験が元になったり、記憶の整理ともいわれている。つまり私がアレを体験したり見たことがあるということになる。

私は過去に体験も見たことない・・・はずだ。

いや、もしかしたらドラマや映画でみたからかもしれない。そこからあの夢が生まれたといえば納得がいく。

ーーーあんなに生々しく感じたのにか?

・・・・やめよう。これ以上心当たりのないことを考えていても、時間を無駄にするだけだし。

ふと視線を壁にかけてある時計に向ける。

5時12分。

本来ならまだ起きるのには少し早い時間だけど、よほどうなされていたのか、寝汗でべたべたしていて不快だ。シャワーでも浴びてすっきりしたいからちょうどいい時間なのかもしれない。