とある学園にて





私は気づくと、なま暖かくて赤いとても紅い水溜まりの中にいた。




ひた・・・・ひた・・・・・




透明のはずの水滴が、紅く反射をしながらその水溜まりに落ちていく。




私の目から見える景色はピントのあわないカメラのようにぼやけてよく見えない。しかしそれを拭おうとさえしない。




ーーーーいや、できない。




その景色をしっかりと視るのが怖いから。私はこの景色を知っているのかも。




ひた・・ひた・・・・ひた・・・・




私の頬を伝い、不規則に流れ落ちる涙が、紅い水溜まりにいくつも波紋をおこす。




その波紋の一つを目で追うと、何かモノにぶつかり跳ね返る。




私の背筋が一瞬で凍った気がした。ぼやけた視界でも『ソレ』が何かが判る。