はらり、と眼前を薄桃色の物体が横切っていった。 あまりにも近くでの動きに反射的に目で追い、改めて視認すると、それが桜の花弁であることが分かる。 辺りを見回し、桜の木を探してみるがどうにも見つからない。 どうやら、あの花弁は目の届かぬ程の遠くから風によって運ばれてきたようだ。