「・・・。」
優太はまだだまったまま。
ごめんね。
困らせちゃって。
いいよ。
フるならフって。
七海と幸せになって?
「ありがとう。」
ようやく優太が口を開いた。
しかも言った言葉が
「ごめん。」でもなし
「彼女いるから」でもなかった。
しかも涙までふいてくれた。
まるで私が年下みたい。
「俺、水谷いるんだけど・・・。
これだけは言いたい。」
いい?という顔をして
私を見つめたから
私はこくんのうなずいた。
「前までは時澤のこと
好きだったんだ。」
え・・・。
私のこと好き?
ほんと???
「おまえが卒業する前までは。
でも卒業式の練習の後に水谷に告白されて・・・。
で、正直まよった。
でも、おまえが卒業したらなかなか会えないし。
だから。
ほんと。ごめん。
まさかおまえが俺のこと好きなんて
思ってもなかったし。」
うれしい。
前の話でもうれしい。
「別にあやまることじゃないよ。
事実だし。
しょうがないよ。
でも、うれしい!」
今は七海が好きでも
前は私のこと好きでいてくれてたんだもん!
こんなにうれしいことはないよ。
確かにつきあえなかったのは悲しいよ。
でも、一時期両思いだったってことを知って
とってもうれしいの!
