オレは、なんか胸騒ぎがしていた。

今日の愛桜は
いつも以上に心配だった。

だから気になって愛桜のマンションまで来ていた。

会うことなんて考えてなかった。

ただ愛桜の部屋を探した。

< たしか…10階って昔言ってたなぁ。 >


10階の一番はじにベランダに誰かが出てきた。

あの長い黒髪は愛桜だと確信した。
遠いけど目が合った気がした。


「 愛桜…!
オレはお前がイヤでも愛桜の傍で守ってやるから!
もう一人で抱えるな!
オレにぶつけてくれよ! 」


10階にいる愛桜に届くように声の限り叫んでみた。


今のオレは
まだガキで本当の守ってやるなんてこと出来ないと思うけど
今のオレなりに愛桜を守りたい。


この気持ち
愛桜に届くと信じて…。



「 天眞のバーカ! 」


愛桜の楽しそうな声が聞こえたような気がした。


天眞…
久しぶりに呼ばれたのなら嬉しいなぁ。





end