検見川は
きっと私が何かしでかさないかを見ているんだね。


だから、
自分の部屋に戻れば私はただの脱け殻になる。

学校にいる時の私だけ
九重愛桜って名前のついた1つとして存在するのだと、
検見川が勝手に心配をしていてわかったこと。


<ねぇ、パパ
私このまま勇気をだして、くつを脱いだら楽になれますか?>


毎日マンションのバルコニーから空を見ると考えてしまう。
ここではない!
何もないところへ行ってしまいたくなる。

私は、あなた…パパを失ってからは
今ここから逃げることばかり考えている。


<ねぇ、パパ。
私楽になりたいんです。>


マンションから空を見てから下をみた。
検見川がいた。

検見川が見ていてくれるなら、
私の最後をみてくれるなら、私は出来そうな気がした。


「 愛桜…!
オレはお前がイヤでも愛桜の傍で守ってやるから!
もう一人で抱えるな!
オレにぶつけてくれよ! 」


検見川は下から恥ずかしいくらいの大きな声で叫んでいる。


< パパ、
もう少しこっちで頑張ってみようかな?
パパ、
検見川にちょっと寄りかかってみようかな? >


「 天眞のバーカ! 」


あっ!
真昼の星が見えた気がする。


< パパ、
きっと愛桜は大丈夫です。
天眞が居てくれるから。 >





end