帰ろうと悩んで泣いてしまった、
あの頃から一年が過ぎた。

仕事をとにかくガムシャラにやっていた。


[ 私は、
まだ煌喜を待っていてもいいのかな? ]


このメールに返事をするのを
なぜかためらって携帯を置いた。

待受の絆愛にはキスなんてしちゃってるくせに、
煙草を吹かしながら夜空を見上げていた。


煙草は吸う時間はあってもメールをする時間はないのか?

思わず自分に聞いてしまうくらいメールをしてなかった。



[ 煌喜、会って話がしたい。
突然だけど明日東京駅。
二人が東京で初めて待ち合わせた改札口に夜7時。
最終電車に間に合う時間まで待っています。
来なかったら…
もう…会えません。 ]


えっ?
絆愛?
明日は、仕事が…。

でも絆愛が決めたことができなかったら、
それまでの男だもんな。


返事をしないで携帯を閉じた。


仕事をとにかく切り上げて、
10時30分
オレは東京駅内を走っていた。

とにかく絆愛を抱きしめたくて…
絆愛を失いたくなくって…。





end