オレの部屋から見える電車の下りだけが、
今は気になっている。

それは大切な人がいる方向だから…

夜その電車の明かりを見ては会いたくて仕方なくなる。


「 絆愛…。 」


携帯の待受をみては男のくせに泣きそうになる。

自分の夢のために都会に出てきたのに、
どうしても地元に帰りたくなる。


< メールが届きました。
メールが届きました。 >


携帯の声にボーッとしていたから、
ビックリして携帯を落としそうになった。


[ 煌喜、元気にしてるかな?
会えないのはさみしいけど…
いつも、
どこにいても大好きだからね。
メールでは書けるのに顔みてだと言えないけどね。 ]


絆愛…
キミにもさみしい思いをさせてるんだね。

地元に戻るのも、
ここで頑張るのも、
どちらも勇気がいる。


でも
大切なたった一人の女を守れないくらいの夢なら…
そんなのイラナイなぁ。


地元にいても
みつけられる夢がある。

絆愛と二人
幸せな家庭を…。

だから地元で働いて…


なんか負け犬みたいに父親に言われるのが
一番悔しいって…
思った。


だからオレは。