空舞くんと手を繋いで帰るのってすごく幸せ。

もう少し家が遠かったらいいのにって毎日思う。
この繋いだ手、
ずっとこのままでいたいのに…
もう家の前。


「 また、あしたね。 」


離れたくない気持ちをかくしながらニコッとしてみた。


「 小想、
あしたは、ないんだよ。」


空舞くんは私を見ないようにしてる。
男子でも、
こんな切ない顔をしちゃうんだぁ。
なんか、きゅんとした。


「 またあしたは、まだあるもん。
朝一緒に行くんだよ。
いつもより一時間早くきてね。
ちゃんと通学路教えてくれないと、
明後日から通えないじゃん。
ねっ、おねがい。 」


空舞くんは切ない顔のまま私を抱きしめた。
空舞くんも離れたくないないって思ってくれてるのかな?


「 空舞くん、
今日は痛いよ。苦しいよ。 」


私の言葉に
抱きしめてくれている力が優しくなった。
これ以上一緒に居たら切ないだけだから


「 また、あしたね。 」


泣かないように笑顔を作って手を振った。
いつもは手を振ってくれない空舞くんが手を振ってくれた。
それがなんだか切なかった。